【都】都市伝説:メリーさんの電話

 

メリーさんの電話って何?最初の疑問から始めよう

ハルカ「ねえねえ、レイくん、ミヤちゃん。今日さ、図書室で“メリーさんの電話”っていう都市伝説を調べたんだけど…あれ、めっちゃ怖いよね!電話がかかってきて『今、○○にいるの』ってどんどん近づいてくるやつ!」

レイジ「おいおい、それを今ここで言う?夜になったら絶対思い出すやつじゃん…」

ミヤコ「それ、都市伝説の中でもかなり有名なパターンね。発信源不明の電話で“近づいてくる”っていう演出、昔からあるんだけど、“メリーさん”の名前が付いたのは日本独自のアレンジ」

ハルカ「やっぱり日本で作られたの?」

ミヤコ「もとは電話を使った怪談の原型みたいな話が海外にもあるけど、“メリーさん”という名前と、日本語で『いま、○○にいるの』って迫ってくるフォーマットは日本の都市伝説ならでは。最初は90年代に子ども向けのホラー系書籍とか雑誌で紹介されて、そこからネット文化で一気に広まった感じね」

レイジ「名前の響きだけでも怖くない?“メリーさん”って本当は可愛いはずなのにさ…」

ハルカ「そうそう!でも、あたしが読んだ話だと、なんか人形が出てきたんだけど、それって元ネタなの?」

ミヤコ「その話、いろんなバリエーションがあるから、ちょっと詳しく解説してみようかしら」




都市伝説としての構成:メリーさんの電話の基本形

ミヤコ「まず基本の構成をおさらいしておくと、“昔メリーという名の人形を捨てた”“ある日、その人形から電話がかかってくる”って流れが多いの。『わたし、メリーさん。いま○○にいるの』って何度も電話があって、だんだんと現在地に近づいてくる」

ハルカ「最終的にどうなるの?」

ミヤコ「最後の電話で『いま、あなたの後ろにいるの』って言われて終わる。相手が本当に“すぐそこにいる”っていう状況ね。これがこの話の最も有名なクライマックス」

レイジ「それ、ヤバすぎるだろ…!でもそれって幽霊?それとも本当に動いてる人形?」

ミヤコ「解釈は色々あるけど、人形というより“怨霊化した存在”として扱われることが多いわ。たとえば捨てられた恨みが執念になって、超常的な存在になったって話」

ハルカ「あたし、なんで人形に名前つけちゃったんだろうって思ったんだけど…」

ミヤコ「そこがポイントよ。名前を付ける=存在を認識すること。それって“呪術”の世界ではとても重要な意味があるの。名前を与えることで、その存在との関係性が成立する」

レイジ「えっ…じゃあ、名前を付けた時点で、その人形と“契約”みたいなのが成立してるってこと?」

ミヤコ「そんな感じね。愛着の証とも言えるけど、同時に呪縛にもなるの。だから、捨てた後に“裏切り”として返ってくる」



解釈とバリエーション:メリーさんはなぜ怒る?

ハルカ「でもさ、人形に怒られてもって思っちゃうんだけど…そんなに怒ること?」

ミヤコ「人形を“もの”じゃなくて、“存在”として認識してたら、それを突然捨てるのは“裏切り”になるのよ。あと、捨てられることそのものが“死”に近い意味を持ってるの。とくに、感情移入されてた人形ほど、その反動も強くなる」

レイジ「感情移入って…まさか、子ども時代の記憶とか?」

ミヤコ「そう。持ち主との関係が長ければ長いほど、そこに思念が残りやすいって考え方がある。メリーさんはその典型」

ハルカ「バリエーションって他にもあるの?」

ミヤコ「あるある。たとえば、電話じゃなくてメールやSNSで来るパターンもある。時代が進むごとに、“接近する手段”もアップデートされていくのよ」

レイジ「ちょっと待て!今の時代、電話よりもLINEとかDMの方がリアルじゃん!それって怖すぎ…!」

ミヤコ「そうね。『今、渋谷駅にいるの』『今、学校の前にいるの』みたいに送られてくる。それが“既読”になった瞬間が、もう恐怖の始まりってわけ」

ハルカ「うわぁ、それってガチのストーカーと何が違うのって感じ」

ミヤコ「まさにそこよ。メリーさんの話って、ストーカーやDV、ネットストーキングみたいな“現実の恐怖”とリンクしてる部分が多いの」



実際の事件との関連性と考察:現実の怖さ

ハルカ「じゃあ、そういうストーカー的な事件と関係あるってこと?」

ミヤコ「直接の事件と結びついてるわけじゃないけど、“都市伝説”っていうのは、現実に起きた怖い出来事と地続きのところにあるのよ。たとえば、1990年代に電話によるイタズラやストーカー行為が社会問題化した時期があって、当時の子どもたちは“電話=不気味なもの”っていうイメージを持ってた」

レイジ「確かに昔の電話って、黒電話とか音も怖いし…かけてくるっていうのも受動的で逃げられない感じする」

ミヤコ「うん。それに、深夜に知らない番号からの電話って、いまでも不気味よね。だからこの話は、子どもの“自分の手の届かない世界”に対する恐怖心を象徴してるの」

ハルカ「じゃあ、実際に“メリーさんから電話が来た”っていう事件はないの?」

ミヤコ「フィクションとして流通してるだけで、警察沙汰になったような事例は確認されてないわ。でも、“その話をした直後に、誰かから電話がかかってきた”とか“夜中にインターホンが鳴った”っていう報告はネットにいっぱい上がってる」

レイジ「それって偶然…だよな?」

ミヤコ「偶然かもしれないし、誰かがイタズラでやってるのかもしれない。でも、そういうのも含めて“語られることで現実味を帯びる”っていうのが都市伝説の本質」



なぜ人々はこの話を語り続けるのか?

ハルカ「でもさ、こんな怖い話なのに、なんでみんな語りたがるんだろ?」

ミヤコ「人間って、得体の知れないものに対する“名前”を与えることで安心しようとするの。だから、“ただの不安”を“メリーさん”という形にして、人形・電話・移動という形で整理してるのよ」

レイジ「整理って…なんか変な話だな。でも納得できるかも」

ミヤコ「語ることで“コントロールした気になれる”ってこと。だからこそ、子どもたちは“試しに話してみたくなる”。そして、それを聞いた人もまた他の誰かに話す。それで都市伝説は生き続けるの」

ハルカ「でも“最後はあなたの後ろにいるの”って言われるんでしょ?それって救いなさすぎる!」

ミヤコ「そこがまた秀逸なの。“落ち”が強烈であればあるほど、記憶に残る。しかも、“逃げ場がない”っていう恐怖の極致がそこにあるから」

レイジ「うわああ…この話聞いたせいで、今夜トイレ行けねーじゃん…!」

ミヤコ「まあ、レイジには“後ろにメリーさんがいる”ってことにしておくわね」

レイジ「マジでやめろーーーっ!!」



現代のテクノロジーと融合する新しい“メリーさん”

ハルカ「そういえばさ、最近AIが電話かけてくるやつあるじゃん。あれも進化したメリーさんになったりするの?」

ミヤコ「実際に“AIメリーさん”を名乗る創作は増えてるの。たとえば、自動音声で“あなたのスマホの中にいるの”とか、“あなたのSNSを見てるの”っていう展開」

レイジ「それ、もうデジタルホラーじゃん!」

ミヤコ「そう、ホラーはテクノロジーに合わせて進化するの。だから昔は電話、今はスマホ、次は…もしかしたら、ARやVRかもね。『今、あなたの視界に映ってる』って言われたら…もうどうにもならない」

ハルカ「うわ、次元が違う怖さ。ガチの“存在”になるじゃん…」

ミヤコ「でも、それでも本質は変わらない。“拒絶された存在の復讐”っていう核の部分はそのまま。どれだけ手段が進化しても、語り継がれる恐怖って、根本的には同じ構造なの」

レイジ「じゃあ、次に流行る都市伝説も、何かしらこのパターン踏んでるかもな…」



まとめ:メリーさんの電話が語りかけるもの

ハルカ「結局、メリーさんって何だったのか、なんとなく分かったかも。“怖い”だけじゃなくて、人間の“裏切り”とか“記憶”とか、いろんなものが詰まってる感じ」

レイジ「思ったより深かったなあ…でもやっぱり、後ろは振り向きたくねぇ…」

ミヤコ「それが“良い都市伝説”の条件なの。“語ったあとに静かになる”っていう余韻。それが怖さの質を高めてるのよ。つまり…話した直後の今が一番危ないかもしれないわね」

ハルカ「え、やめて!それはさすがに怖すぎ!ねえ、ミヤちゃん一緒に帰ろ?……それじゃあ、レイくんバイバイ!」

レイジ「いやオレだって無理だって!オレを置いてくなよーー!」

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