【都】怪談:黒い女

黒い女って何?有名な芸人が語った本当にあった怖い話


ハルカ「ねえねえ、レイくん。今日も暇だよね?」

レイジ「え、いや、まあそうだけど…」

ハルカ「うふふ、だよね~!」

レイジ「え、なんだよ、その笑顔は…。って、ちょっと待ってくれ!まさか、また怪談話とかするつもりじゃないだろうな。オレもう嫌だぞ!前の“十三階段”の話だってすでに限界超えてるんだからな!あれ、めっちゃ怖かったし…」

ミヤコ「大丈夫。今回はあれよりもっと怖い話よ。とある芸人さんがテレビで話してたやつ。タイトルは“黒い女”。」

ハルカ「“黒い女”…?へぇ、なんか一応"黒髪女子"のあたしとしては、なんかちょっと気になるタイトルだなー。それってどんな話なの?」

ミヤコ「えぇとね、芸人の体験談としてテレビで話されたんだけど、聞いた人の多くが“テレビで放送できたのが不思議”っていうくらい不気味な内容なの」

レイジ「そんなにヤバいのかよ!?それで…それはいつ頃の話なんだ?」

ミヤコ「2010年代のTVのバラエティ番組の心霊特集。ある芸人がロケでとある地方のホテルに泊まったときの出来事なんだけど」

ハルカ「またロケ系かぁ。だいたいそういうのって、曰くつきのホテルとかじゃない?」

ミヤコ「まさにそう。古びたホテルで、空き部屋ばかり。彼は一人部屋をあてがわれて、その部屋に“出た”の」

レイジ「もう出るのかよ!?早いよ!」


夜中の訪問者は“黒い女”


ミヤコ「夜中、ドンドンッてノックの音で目が覚めるのね。で、ドアの外から“開けて…”っていう女の声が聞こえるの」

ハルカ「え、完全にホラーじゃん…」

レイジ「でも、夜中に開けてって、知り合いとかでもないんだろ?」

ミヤコ「しかもそれが一晩中続いたの。覗いても誰もいない。声だけがずっと聞こえてくる」

ハルカ「で、それが“黒い女”だって何でわかるの?」

ミヤコ「最初は声だけだったのに、何度目かのノックのあと、ドアのすき間から“黒髪の女”の髪の毛だけがスーッて入ってくるのよ」

レイジ「ぎゃあああぁぁぁーー!!!」

ミヤコ「しかも、その髪の毛、這うように中に入ってくるの」

ハルカ「うっわー!それ想像しただけでヤバいね!怖さが物理的に来る感じ…」

ミヤコ「さすがにその場にいた芸人は恐怖のあまり部屋を飛び出して、他のスタッフの部屋に駆け込んで、そのまま一晩寝かせてもらったんだって。でも、それだけじゃないの。翌朝戻ったら、部屋の床に“髪の毛が山ほど落ちてた”んだって…」

レイジ「っひいぃー!勘弁してくれよ…!なんだよそのホラー映画みたいな展開は!」


怪談の構成の巧妙さと、怖さの本質


ハルカ「…でもこの話、女性が部屋に入ってきて、みたいな話じゃないんだよね。ドアをノックする音と女性の声?…あとは翌日の髪の毛っていうのが怖すぎ…。最初から直接入ってきてくれた方が、まだ何とかできそうな気がする。」

ミヤコ「そう、それがこの怪談のすごいところ。細かい情景描写を避けて、“音と髪”っていう感覚で攻めてくるの。だから映像じゃなくて“音声”でも怖さが伝わる」

レイジ「…確かに直接で見えるより、得体が知れないぶん想像が掻き立てられてヤバいかも…」

ミヤコ「あと、“一晩中続くノック”とか、“何度も繰り返される現象”って、いつのまにか日常の中に入り込んでくる感じがして、それが話を聞く人の現実味にもつながるのよ」

ハルカ「でもさ、怪談って結局“オチ”が大事じゃない?これはどう終わるの?」

ミヤコ「それがまた上手くてね。部屋に髪の毛が残されてて終わり、っていう“持ち帰り系”なの」

レイジ「持ち帰り!?…って、つまり、まだその女がついてきてるかも的な!?」

ミヤコ「そういう“余韻”がずっと残る構成。だからこの話、10年以上たった今も語り継がれてるの」


過去の事件との関連性は?実際にあった“髪”の呪い


ハルカ「ちょっと気になったんだけど、こういう“髪の毛が大量に残る系”って、実際に事件とかでもあるの?」

ミヤコ「あるのよ。1990年代には関西で“髪の毛の呪い”って都市伝説があって、実際にある中学校で、教室に大量の髪の毛がばらまかれる事件が起きた」

レイジ「なにそれ!?誰がやったの?」

ミヤコ「結局犯人は捕まってないの。しかも何度も起きたらしくて、生徒の間で“髪の女”って呼ばれてた」

ハルカ「それ、怪談じゃなくてリアルホラーじゃん…」

ミヤコ「ちなみに“黒い女”っていうモチーフ自体は、戦後の“くろがみ様”や“生き人形”にも見られるの。“黒髪の女性=未練”っていう構図が、根っこにあるのね」

レイジ「なるほどな。でも、たしかに黒髪のロングって日本の怪談だとよく出てくるイメージだけど、それって何でなんだろうな?」

ミヤコ「日本では昔から、黒髪=女性の魂の象徴っていう考えがあって、それが未練や怨念のシンボルになってるの。だから“髪の毛が這う”なんていう描写まで出てくるんだと思うわ」


なぜ芸人の怪談が怖いのか?語りの技術の秘密


ハルカ「でも芸人さんが話すと、なんでこんなに怖いんだろうね?」

ミヤコ「それは“間”と“落ち”の取り方が上手いからじゃないかしら。芸人って話術で観客を引き込む技術があるでしょ。それを怪談にも応用してるの」

レイジ「笑わせるための間を、怖がらせるために使うってことか」

ミヤコ「そうね。あとじゃ声のトーンとか、急に静かになったあとに“ドンドンッ”って言われると、ゾクってするでしょ」

ハルカ「わかる!あたし、そういうのには弱いかも。」

ミヤコ「しかもこの話には“誰でも巻き込まれる可能性”が含まれてるから、そういう意味でも怖いの。ホテルって誰でも泊まる場所でしょ?もしかしたら、明日“自分も同じような体験をするのかも”っていう現実感があるのよ」


現代怪談とSNSの関係性


レイジ「ところで今って、SNSでも怪談とか心霊動画めっちゃバズってるけど、“黒い女”みたいな話は流行ってるのか?」

ミヤコ「流行っているっていうより、逆に“古典的”な怖さが再評価されてる感じはあるかもね。短い動画じゃ伝えられない、“語る力”が求められてる感じかしら」

ハルカ「そっかぁ、たしかにTikTokとかって“びっくり系”多いけど、長めの怪談だと話してる人の声とか、雰囲気、抑揚なんで怖い!って感じるもんね」

ミヤコ「だからこの芸人の話は、今の時代にも通じる“語りの怪談”なの。人間の想像力を駆り立てて、感情を逆撫でするような怖さがあるのよ」


結局“黒い女”とは何者なのか?


ハルカ「で、結局“黒い女”って何だったの?幽霊?生き霊?それとも…」

ミヤコ「それについては明言されてない。でも私は“念”の集合体だと思ってる」

レイジ「念って、気持ちの残りカスみたいなやつ?」

ミヤコ「誰かがそこで強く“助けて”とか“開けて”とか思いながら死んだとしたら、その感情が空間に残る。その念が形になって現れた存在ってこと」

ハルカ「つまり、“黒い女”は実体じゃないってこと?」

ミヤコ「実体じゃないけど“見える”の。“怪異”っていうのは科学では説明できない、けれど人間にも感じることができる存在なのかもね」

レイジ「うわあ…そっちの方がよっぽど怖いわ…」


ラストに残る“余韻”こそが怪談の本質


ハルカ「ねえ、ミヤちゃん…これ、すごい話だね。なんか今になって急に怖くなってきたんだけど!」

ミヤコ「それが怪談の真骨頂ね。“話が終わっても終わらない”って感覚を与えるのが本当の怪談だから」

レイジ「オレはもう怖すぎて、ビビッて教室の外にも出られないぐらいなんだけど!」

ミヤコ「そういう人の心のすき間に入り込むから、怪談は何年経っても怖いの。特にこの“黒い女”は、もしかしたら“今夜、あなたの部屋にっも来るかも”っていう余韻を残してるから…」

ハルカ「そっかぁ…じゃあもし今夜、ドアのノックの音がしたらどうしよう…。とりあえずレイくんに電話するから、ノックの音一緒に確認してね」

レイジ「えぇー!?なんで電話してくるんだよ!もういい加減、オレを巻き込むのはやめろおぉぉーー!」

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