【都】都市伝説:ひとりかくれんぼ

 ひとりかくれんぼと、その裏にある闇


ハルカ「ねえレイくん、ミヤちゃん、聞いたことある? “ひとりかくれんぼ”ってやつ」

レイジ「うわ、出た……それ、聞いただけで寒気するやつ。人形と鬼ごっこするみたいな、あれだろ?」

ミヤコ「そう、それ。ネット発祥の都市伝説だけど、ただの遊びってレベルじゃないのよね。かなり深い背景があるの」

ハルカ「あたしさ、なんか最近またTikTokとかで“やってみた”系のやつ流れてきて、久々に思い出しちゃって。あれってマジでヤバいやつじゃないの?」

レイジ「おいおい、やめろよ。まさかまた“試してみよう”とか言わないよな?」

ハルカ「まさか!さすがにやらないよ。でも、詳しく知らない人も多いし、ちょっとちゃんと話しておこうかなって思って」


そもそも「ひとりかくれんぼ」って何?


ミヤコ「まずは基本から話すと、“ひとりかくれんぼ”は、人間の代わりにぬいぐるみの人形を使って“かくれんぼ”するっていう儀式のような遊びなの。2000年代後半、日本のネット掲示板で紹介されたのが始まり」

レイジ「なんでそんなこと思いついたんだよ……怖すぎるだろ」

ハルカ「ルールもやばいよね。綿を抜いた人形に自分の爪とか髪を入れて、赤い糸で縫って、塩水と刃物を用意して……ってさ。準備からしてただごとじゃない」

ミヤコ「要するに、自分の一部を入れたぬいぐるみに“命”を与える、っていう設定なの。しかも“鬼ごっこ”としての形式を取ることで、ただの儀式じゃなくなる」

レイジ「命?それって、なんかヤバい霊を呼ぶ的な?」

ミヤコ「そう。ネット上では“霊を呼び込む”って解釈が多いわね。ぬいぐるみがその“依り代”になる。つまり、霊がその中に入り込むことで、本当に“動き出す”って話」

ハルカ「あたしが聞いたのは、開始した後は絶対に途中でやめちゃいけないってやつ。見つかったら最後、“やられる”って」

レイジ「うわうわうわ……やられるって何されんだよ!」

ミヤコ「直接的な記述は避けられることが多いけど、身体が重くなる、何者かに掴まれる、金縛り、幻覚、悪夢、果てには“取り憑かれる”って話もあるのよ」


実際にあった“ひとりかくれんぼ”の事件や報告


ハルカ「ねえ、都市伝説って言われるけど、実際にやって“おかしくなった”人とか、いるんでしょ?」

ミヤコ「うん、匿名掲示板やブログ、動画投稿サイトでの体験談が多くあってね。中には病院送りになったケースも噂されてる」

レイジ「病院送り!?マジかよ……」

ミヤコ「たとえば2007年ごろ、某掲示板で“実況”してた人が、ぬいぐるみが勝手に動いたとか、部屋の電気がついたり消えたりしたって書き込んで、途中で投稿が止まったって事件があるの」

ハルカ「それ有名だよね!“実況中断事件”とか言われてるやつ。でもその人どうなったの?」

ミヤコ「そこがまた怖いの。しばらくしてから“何もなかった”って投稿されたんだけど、文体が別人っぽかったとか、名前のスペルが微妙に違ってたとか……」

レイジ「いやいや、それもう完全に乗っ取られてるじゃん……」

ミヤコ「もちろん、作り話かもしれない。でも、“不自然な点が多すぎる”って、オカルトファンの間では有名な話なの」


なぜこれほど恐れられるのか? 背後にある“構造”と“信仰”


ハルカ「てかさ、なんで人形なんだろ?他のモノじゃダメだったのかな?」

ミヤコ「それは“依り代(よりしろ)”として適してるから。人形って昔から“魂が宿る”って考えられてきたの。日本だと“雛人形”や“市松人形”もそう」

レイジ「ああ、確かにおばあちゃんが“人形は捨てるんじゃなくて供養するんだよ”って言ってた」

ハルカ「あたしも聞いたことある!だから人形供養のお寺とか神社があるんだよね?」

ミヤコ「そう。“形を持つモノには、魂が宿る”って信仰が日本には強くあって、“ひとりかくれんぼ”はそれを逆手に取ってるのよ」

レイジ「魂が宿るのを前提にしてる遊び……っていうか儀式、だな」

ハルカ「しかもさ、自分の体の一部を入れるってのがリアルに怖いよ。髪とか爪って、昔から“呪い”に使われるし」

ミヤコ「よく気づいたわね。髪や爪は“個人の本質”を含むって考えられてるから、呪術や儀式に使われることが多い。逆に言えば、“ひとりかくれんぼ”はまるごと“呪術”なのよ」


本当に“霊”のせい?それとも“心理的な作用”?


レイジ「でもさ、全部“霊”のせいにするのもなんか……怖いけど信じきれないとこもあるんだよな」

ミヤコ「いい視点ね。実は“ひとりかくれんぼ”に関する現象は、“自己暗示”や“感覚遮断”が影響してるって説もあるの」

ハルカ「感覚遮断ってなに?」

ミヤコ「例えば部屋を真っ暗にして、静かな空間で長時間過ごすと、人間の脳って現実との区別が曖昧になるの。だから何もないのに“気配を感じる”って状態になる」

レイジ「え、それオレたまに感じるやつ……」

ハルカ「あー、それって“脳が勝手に怖がってる”ってこと?」

ミヤコ「そう。“ひとりかくれんぼ”のルールには、特定の時間帯(夜中の3時とか)にやるとか、照明を消すとかがあって、それが脳をより不安定にさせるの。だから幻覚や幻聴が起きても不思議じゃない」

ハルカ「なるほど。つまり“本当に霊が出た”かは別として、“怖い現象”自体は起きやすい条件なんだ」

ミヤコ「その通り。でも、その“条件”を知った上でやっても、なお怖いのは……やっぱり何かいるのかも、って思うからよね」


現代の“デジタル怪談”としての役割と拡散力


ハルカ「でもさ、これってネット時代だからこそ広まったって感じがするよね」

ミヤコ「完全にそう。“実況”ってスタイルが普及したからこそ、リアルタイムで“異変”が見られるってのがウケたのよ」

レイジ「いまでもYouTubeとかで“やってみた”動画、あるもんな」

ミヤコ「面白いのは、“ひとりかくれんぼ”って日本で生まれたのに、海外にも広がったこと。英語で“One Man Hide and Seek”って名前で知られてるの」

ハルカ「あたしも海外のホラー実況で見たことある!文化が違っても“人形怖い”って感覚は共通なんだね」

ミヤコ「そうね。“恐怖の共通言語”って言ってもいいかもしれない」


現代社会と“ひとりかくれんぼ”の心理的なつながり


レイジ「でもさ、こんな怖い遊び、なんでやろうと思うんだろ?」

ハルカ「それって“誰かに認められたい”って気持ちもあるんじゃない?」

ミヤコ「的を射てるわ。人は不安や孤独を抱えると、“非日常”に触れたくなるのよ。“生きてるって感じたい”って本能が働くの」

レイジ「命かけてる感、あるよな……」

ハルカ「SNSで“いいね”が欲しくてやる人も多そう」

ミヤコ「そう。“注目されたい欲求”と“恐怖への興味”がリンクして、“やっちゃう人”が出る。けど、軽い気持ちでやると……ほんとに戻ってこれないかもね」


“ひとりかくれんぼ”をやってはいけない理由


ハルカ「ってことで、まとめると“やっちゃダメ”ってことだね」

ミヤコ「うん。科学的な側面から見ても、精神的にかなり危険。霊的な話を信じなくても、心身に悪影響を及ぼすのは間違いない」

レイジ「っていうか、オレは最初からやる気ないけどな」

ハルカ「あたしも。でもさ、こういうのちゃんと知った上で話せると、変に好奇心で手を出す人も減るんじゃない?」

ミヤコ「その通りね。“知識が恐怖に勝つ”って場合もあるし。だから話す価値があるのよ」

レイジ「じゃあ、次は他の都市伝説についてもちゃんと教えてくれよ……と思ったけど、やっぱやめとく!」

ハルカ「あはは、レイくんってホント怖がり!次の話はまた今度ね!」

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