【都】都市伝説:人面犬

 人面犬って本当にいたの?


ハルカ「ねえねえ、レイくん!今日のテーマはね、人面犬にするから!」

レイジ「うわっ、やっぱ来たかその話…!オレさ、それ子どものときマジで怖くてトラウマなんだけど!」

ミヤコ「人面犬って、昭和の終わりから平成の初めにかけて流行った都市伝説のひとつね。今でもネットとかでちょいちょい話題に出るから、知ってる人は多いかも」

ハルカ「うん!あたし、あの“しゃべる犬”とか“車を運転する犬”とか、もうインパクト強すぎて忘れられないんだよね!」

レイジ「ていうか人の顔の犬ってもうホラーでしかないだろ…。なんでそんなの流行ったんだよ…」



人面犬って何?伝説のはじまりとその特徴


ミヤコ「じゃあ最初に基本からまとめておくわね。人面犬っていうのは、その名のとおり“人間の顔をした犬”のこと。目撃例が急に増えたのは1989年ごろ、特に小中学生の間で『見た』『追いかけられた』って噂が急速に広がったの」

ハルカ「でさ、目撃されたのが主に“夜の校舎”とか“公園のトイレの近く”とか、怖さマシマシのシチュエーションばっかりだったってのもポイント!」

レイジ「こえぇ…!しかもさ、人間の言葉しゃべるんだろ?なんか『見たな!』とか言って追いかけてくるとか聞いたことある」

ミヤコ「それ、まさに代表的な噂のひとつね。しかも走るスピードが異常に速くて、時速100kmで走るとも言われてたの」

ハルカ「しかも!バイクに乗ってた人が人面犬に抜かれたとか、車運転してたら隣に並んできて『見たな』って言ったとか!もう設定盛りすぎだよね!」

レイジ「まってそれ、犬っていうかもう妖怪かUFOレベルじゃん…」


当時の社会背景とメディアの影響


ミヤコ「でもこの都市伝説が爆発的に広がったのには、ちゃんと時代の背景もあるのよ。当時はバブル経済の終わりごろで、テレビや雑誌のオカルト特集が流行してたの。特に子ども向け雑誌とかマンガ、テレビ番組の影響が大きかった」

ハルカ「あたしたちの世代じゃリアタイじゃないけど、なんか昔の番組の特集とかで見たことある気がする!あのへんでオカルトってめっちゃ人気だったっぽいよね!」

レイジ「あーなんか、雑誌の後ろの方に“あなたも見たか!超常現象”みたいなページあったよな。信じる信じないに関係なく、ネタとして楽しかったのかも」

ミヤコ「その通り。あと当時の小学生は“怪談ブーム”真っ盛りで、『口裂け女』とか『トイレの花子さん』とかの時期と重なるの。人面犬もその流れの中で広まった都市伝説のひとつだったのよ」


実際の目撃談とバリエーション


ハルカ「ねえミヤちゃん、実際に“人面犬を見た”っていう人ってほんとにいたの?」

ミヤコ「うん、いたわ。でも大半は“誰かから聞いた話”っていう“また聞き”ばっかり。典型的な都市伝説の伝播のしかたね。具体的な体験者が出てこないのに、話だけがどんどんリアルになっていくの」

レイジ「あー、それって“友達の兄貴が見た”とか“先輩が体験した”みたいなやつ?」

ミヤコ「そうそう。直接の証言がないのに、詳細だけはどんどん加えられていく。そして“人面犬”もいろんなバリエーションが生まれたわ。たとえば“サラリーマンの顔をした犬”とか、“女の人の顔で泣いてる犬”とか」

ハルカ「なんか…バリエーションのせいで逆に怖さ減ってく感じもあるよね…シュールすぎて」


人面犬の意味を考える:不安と笑いのバランス


ミヤコ「私が思うに、人面犬っていうのは“怖さと笑い”が同居してる存在なのよね。よく考えると、人間の顔した犬って気持ち悪いし怖いけど、同時にどこかシュールで笑える部分もあるの」

レイジ「それはある。怖いんだけど、『しゃべる犬』とか『時速100km』とか聞くとツッコミたくなるもん」

ハルカ「人面犬って、いわば“笑えるホラー”の走りなんじゃない?今で言うと『ゆっくり実況』のボイスがホラーBGMで流れてくるみたいな」

ミヤコ「そう、怖いけど安全圏から楽しめる。現実にはありえないからこそ、子どもたちの間であそこまで流行ったんだと思うわ」


現実の事件との関連性?実在したモデルの存在


レイジ「でもさ、ここで気になるのが…人面犬ってまったくのフィクションなの?それとも何かの事件とかが元になってるとか…?」

ミヤコ「実はね、少しだけ関係があるんじゃないかって言われてる事件があるの。1970年代に起きた“猟奇事件”の中に、遺体の一部が犬に食べられたっていう報道があったの。その情報が一部の雑誌でセンセーショナルに取り上げられて、都市伝説に影響を与えたって説もある」

ハルカ「うわ、リアルな話…。それが都市伝説に変わってったってこと?」

ミヤコ「かもね。でも都市伝説は直接的な事件というより、人々の無意識の不安や社会の風潮が混ざって形を変えていくの。だから“元ネタ”があったとしても、全然違うストーリーに育つことが多いのよ」

レイジ「確かに“本当にあったらやばい”けど、“ありそうでない”のがちょうどいいラインかもな」


インターネットと人面犬のリバイバル


ハルカ「それでさ、最近になってまた“人面犬が出た”とかSNSでバズったことなかった?」

ミヤコ「あるわね。2020年代に入ってからも、TwitterとかTikTokで“心霊動画”として人面犬っぽい映像が出回ったりしてるのよ。あとはAIで作った合成映像とかもあるし」

レイジ「うわ、それは現代的すぎる…もう都市伝説って言うより“ネットミーム”じゃん」

ハルカ「でも逆に、ネット時代になっても“人面犬”ってちゃんと通じるワードなのすごくない?初見の子どもとか、普通に信じそう」

ミヤコ「そうね。昔の都市伝説が“現代風”にアレンジされて生き残っていくのは、ちょっとした民間伝承みたいなものかもしれないわ」


なぜ人面犬は語り継がれるのか?


レイジ「でもほんとに不思議だよな。犬に人の顔がついてるだけの話なのに、なんでこんなに長く語られてるんだろ」

ミヤコ「それはね、“人間にとって一番気持ち悪い存在”が、“似ているけど違うもの”だからだと思うの。人間の顔なのに犬、犬なのに人間。そのアンバランスさが、脳の中で違和感としてずっと残るのよ」

ハルカ「あっ、それって“不気味の谷”ってやつ?ロボットが人間に近づくほど気持ち悪く見えるってやつ!」

ミヤコ「そう、それと似てるわ。だからこそ、単純だけど強烈なインパクトがあって、世代を超えて語られる存在になってるのよ」


都市伝説は“心の鏡”かもしれない


ハルカ「じゃあまとめると、人面犬って“ただの噂”ってだけじゃなくて、時代とか人間の心理が反映されてるってこと?」

ミヤコ「そう。都市伝説って、単なるホラーじゃなくて“社会の影”を映してる鏡でもあるの。何を恐れているのか、何を笑いに変えたいのか、そういう無意識がかたちになったものなのよ」

レイジ「なるほどね。なんか、ちょっとカッコいいじゃん…人面犬」

ハルカ「カッコいいのは人面犬じゃなくて、ミヤちゃんのまとめ方だと思うけどね!」

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