【都】都市伝説:赤い部屋

「クリックしてはいけない」のその先


レイジ「なあ、ハルカ。『赤い部屋』って知ってる?」

ハルカ「もちろん!超有名なネット都市伝説じゃん。『あなたは赤い部屋が好きですか?』ってポップアップが出てくるってやつでしょ?」

レイジ「そうそう、それ!なんかちょっと気になってさ。でも調べるの怖くて……。なあ、ミヤコ、あれってどういう話なんだ?」

ミヤコ「『赤い部屋』はね、インターネット黎明期に流行った、ちょっと特異なタイプの都市伝説なの。ネットの世界特有のホラーって感じが強いわね。」

ハルカ「インターネットならではの怖さってあるよね。現実とデジタルの境界があいまいになる感じっていうか。」


赤い部屋の基本ストーリー


レイジ「それでさ、具体的にはどういう内容なの?動画とかも見たことあるけど、いまいち全部は知らなくて。」

ミヤコ「じゃあ整理するわね。『赤い部屋』っていうのは、一人の男の子がパソコンを使ってると、急に『あなたは赤い部屋が好きですか?』っていう赤い背景のメッセージがポップアップで表示されるの。消しても消しても出てきて、そのうち全画面に広がって逃げられなくなる。」

ハルカ「で、そのあとにその子が部屋で死んじゃうっていうオチね。部屋の壁が真っ赤に染まってるって設定なんだよね。」

ミヤコ「そう。メッセージが出てくると、その人は最後には死んで、部屋が“赤い部屋”になる。で、そのサイトを見た人もポップアップが出てきて……って連鎖がテーマになってる。」

レイジ「チェーンメールみたいな感じだな……読んだら呪われる、みたいなやつ。」

ハルカ「うん。でも当時としてはすごく衝撃的だったと思うよ。あたしも最初に聞いたとき、ネットって怖いなって思ったし。」


「赤い部屋」の起源とその広まり


レイジ「でもさ、それっていつごろ流行った話なんだ?」

ミヤコ「1990年代の終わりから2000年代の初めにかけて、日本のネット掲示板とかFlash動画サイトで流行ったの。特に“2ちゃんねる”のオカルト板で話題になって、Flashアニメとして拡散されたわ。」

ハルカ「Flashって懐かしい!今みたいにYouTubeとかじゃなくて、ブラウザで動くアニメみたいな感じだったんだよね。」

レイジ「なんか昔のネットって、今よりも怖さが強い感じするな……。」

ミヤコ「当時はネットリテラシーも低くて、“何が安全で何が危険か”の基準が曖昧だったのも大きいわ。だからこそ、こういう怖い話がリアルに感じられたの。」


構造的に見た“赤い部屋”の恐怖の演出


レイジ「あれさ、ただのポップアップだけでそんなに怖くなるもんなの?」

ハルカ「レイくん、あの怖さはね、画面の中から“自分の世界に干渉される”って感覚なんだよ!」

ミヤコ「そう。ホラーっていうのは“距離感”が大事なの。普通のホラー映画なら、登場人物に何か起きるだけ。でも“赤い部屋”は、見た人が“次の犠牲者”になる形式になってるから、恐怖が自分に直接来るように感じるのよ。」

ハルカ「あと、あの声の感じとか、音が突然消える演出とか、心臓に悪いんだよね~!」

レイジ「うっわ、今想像しただけで鳥肌……!」

ミヤコ「さらに、操作が効かなくなるっていう演出も絶妙なのよ。人は自分で“やめたいときにやめられない状況”に強いストレスを感じるから。」


都市伝説だけじゃない?実際の事件との関連性


レイジ「え、でもこれって作り話なんだろ?実際に何かあったわけじゃ……」

ミヤコ「いえ、関連していると言われる“実際の事件”が存在するのよ。」

ハルカ「あ!それって2000年代前半の殺人事件のことだよね?小学生が同級生を殺めたってショッキングなやつ…」

レイジ「うわっ!?そんな事件と関係あるのかよ?」

ミヤコ「でも、実際にはそう言われているだけで、明確な証拠はないの。でもね、当時報道された情報では、加害のパソコンに“赤い部屋”のFlashが保存されていた、って話があって、それがこの都市伝説と結びつけられるようになったの。」

ハルカ「一気に話がリアルになるから、余計に怖く感じるよね……。ネットと現実の境目がなくなってるみたいで。」

レイジ「うわー……そういう背景知ると、本当にただの作り話って気がしなくなるな。」


デジタルホラーと“情報の呪い”という構造


レイジ「でもさ、見ただけで呪われるって、ちょっとオカルトすぎる気もするけど……。」

ミヤコ「そこが面白いところなの。“赤い部屋”の恐怖って、いわゆる“情報の呪い”なのよ。」

ハルカ「“情報の呪い”ってなに?」

ミヤコ「要するに、“知ってしまったことで、回避できなくなる恐怖”。例えば、ピンクの象を想像しないでくださいって言われたら、逆に頭から離れなくなるでしょ?」

レイジ「うわ、それあるある!」

ミヤコ「それと同じで、“赤い部屋”を見たという情報を得た人は、それを忘れられなくなって、まるで呪いのように感じてしまう。呪いの正体は“情報”そのもの、って解釈なの。」

ハルカ「つまり、“見たら終わり”っていう構造が、めっちゃ人間心理に刺さるってことね!」


時代によって形を変える「赤い部屋」


レイジ「でも今ってFlash使えないよな?じゃあもう“赤い部屋”って消えたの?」

ミヤコ「いえ、そうとも限らないの。実際、“赤い部屋”のリメイク動画や実況、体験型ホラーゲームとして形を変えて生き残ってるわ。」

ハルカ「あとね、TikTokとかでも“赤い部屋の呪い”ネタを使った動画がたまにバズってるんだよ。そういう風に、形は変わっても根っこの怖さは残ってるんだよね。」

レイジ「なるほどな……時代が変わっても怖がるポイントは変わんないんだな。」

ミヤコ「それどころか、今の方がSNSを通じて拡散されやすいから、むしろ影響力は大きくなってるとも言えるかもしれないわ。」


“赤い部屋”が教えてくれる本当の教訓とは


ハルカ「あたし思うんだけどさ、赤い部屋って、怖がらせるだけじゃなくて“ネットの使い方”に対する警告にも見えるんだよね。」

レイジ「あー、たしかに。勝手にポップアップ出てきたり、消せなくなったりするのって、今でいう“ウイルス”や“フィッシング詐欺”に似てるよな。」

ミヤコ「まさにその通りなの。『赤い部屋』は一種の“ネットセキュリティ啓発ホラー”としても解釈できるのよ。知らないリンクをむやみにクリックしない、怪しいサイトは開かない、っていう基本を忘れた人が、犠牲になる構図になってるわ。」

ハルカ「だから“都市伝説”って聞いて油断してると、本当の危険にもつながるよってことか!」

レイジ「そういう意味では、ちょっとしたネットリテラシー教育にもなるんだな……。」


都市伝説は現代の“寓話”かもしれない


ハルカ「結局さ、こういう話って怖がらせるためだけじゃなくて、何かしらの“教訓”を込めてあると思うんだよね。」

ミヤコ「その通り。昔の昔話やおとぎ話が“こうしないと怖いことが起きるよ”って教えてたように、都市伝説も現代版の“寓話”みたいな存在なの。」

レイジ「ってことは、オレたちがネットで怖がってる話も、実は全部“気をつけろ”っていうサインだったりするのか。」

ハルカ「うん!だからあたしはこういう都市伝説、ただのホラーとしてじゃなくて、ちゃんと意味を読み解くようにしてるんだよ~!」

ミヤコ「いい視点ね、ハルカ。都市伝説は“嘘の中にある真実”を見抜く力を養うには、いい題材なのよ。」

レイジ「うう……怖い話聞くと夜トイレ行けなくなるけど、ちょっとだけ賢くなった気がする……。」

ハルカ「レイくん、ちゃんと電気つけて行きなよ!じゃないと、赤い部屋になっちゃうかも~♪」

レイジ「やめろおおおおおおおお!!!」

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